2007-01-01から1年間の記事一覧

大根とクリスマス

久しぶりにひとり旅に出た。Hがメキシコに来るまで10日ほど時間があって、メキシコシティに来て2週間、毎日精力的に出歩いていて、体力も大分ついたことだし、メキシコの医者にも子供が順調に育っている、と太鼓判を押されたので、ちょっと遠出をしてみるこ…

アラメダ公園の日曜の午後の夢

晴れた日曜日に、アラメダ公園脇にある、ディエゴ・リベラ壁画館へ「アラメダ公園の日曜の午後の夢」と題された巨大な壁画〔総量65トンくらい〕を見に行った。ディエゴ・リベラ〔フリーダ・カーロの夫〕のこの絵は、メキシコの著名人アラメダ公園に一同に…

グアダルーペのお祭り

2ヶ月弱お世話になったブエノスアイレスの上野山荘を後にして、一気にメキシコにやってきた。1年ぶりのメキシコ。15年ぶりのメキシコシティ。街を歩くと、そこらじゅうから、とうもろこしの強い匂いが漂ってきて、ああ、メキシコに来たんだなあ、と思った。…

日本からの愛とブエノスアイレスのパンツ泥棒

ブエノスアイレスにしばらくいる、と言ったら、日本から愛の物資が次々に届いた。海外で初めて小包を受け取ったが、これはなんともうれしいものである。 まずは、ちほから妊娠・出産関係の本が7冊(総量2キロ!送料9000円!)、安産のお守り、手紙。う…

ブエノスアイレスの最も熱い夜

10月の終わりの夕暮れ、コリエンテス大通りをとぼとぼ歩いていると、「11月4日、7日 BJORK」という看板が目に飛びこんできた。BJORKがブエノスに来る!それも宿から10分のところに!これはなんてしてでも行かなければならない!と高揚した…

ブエノスアイレス再び

4ヶ月ぶりにブエノスアイレスにやってきたら、季節はめぐり、春になっていた。道には、日本でいう桜のような、ライラック色の花が満開に咲き誇っている。4ヶ月前のあの寒さがうそのように、毎日暑い。 6月にブエノスを出るときに、「パタゴニアに行ってき…

ねむりの間に思ったこと

SantiagoからVina del Marに移動したからというもの、眠気はますます強まり、毎日眠ってばかりいた。朝、宿から徒歩30分のところにある魚市場に行く。帰ってきて朝ご飯を食べて、昼寝。夕方、街に出て、夕飯の前に眠気に耐えられず、夜寝。その間にご飯を…

沢木耕太郎に対して、ちょっとした偏見を持っていた。高校生のとき、例外にもれず「深夜特急」に夢中になったが、もう少し大きくなり、自分で実際に旅に出るようになって、文章から滲み出る過剰な自意識のようなものが気になって、自然に離れていった。 それ…

初診察

サンチャゴに戻ってきて、まずしたいことは、ネットと病院に行くことだったが、あいにくチリは大型連休の真っ最中で、病院はどこも閉まっていて、何日か落ち着かない気持ちで過ごした。幸いネット屋は開いていたから、色々と調べてあまりの無知さに真っ青に…

モアイがどうでもいいほどに

ずっと楽しみにしていたイースター島についに行った。イースター島といえば、まず頭に浮かぶのは「モアイ」だと思うが、それ以外の楽しみとして、まぐろがある。これは、キャンプから小舟が港に帰ってくるのを見つけた瞬間、走って港に行き、まぐろ1匹丸々買…

旅の終わりは突然に

(何もする気になれなかった、空白の2ヶ月間を埋めるために、あることについて触れないと書けなくなりました。実は。。。旅が終わりそうなのです。) 世界一周をするために、日本を飛び出して1年ちょっと。最初のアメリカ大陸で、旅の終わりは突然やってき…

うろこと雨とおしゃべり

Puerto Monttから、バスとフェリーでチロエ島に行く。この島は、独特の建築で有名だ。教会も家も、うろこみたいな壁をしていて、絵本に出てくる家のように、とてもかわいらしい。その色も、長年、雨で洗い流されたようなくすんだ色をしていて、また味わい深…

海辺から地球で一番大きい動物を眺める

夏の間、ペンギンが見られるということで有名なバルデス半島は、冬の間、ペンギンのかわりにくじらが見えるという。宿の女の子に、PUERTO MADRYNから19kmのEL DORADILLOでは、海辺からくじらが15mの近さで見れるよ、と教えてもらい、半信半疑で満潮に…

真冬のエルチャルテンを歩く (歩行距離22Km、1泊2日)

パイネのトレッキングがあまりにも楽しかったため、今度はアルゼンチンのエルチャルテンにトレッキングに行くことにした。パイネの経験があるとはいえ、今回は良い装備が借りれなかった上、全体的にエルチャルテンの方が積雪も多く、不安はつきなかった。 1…

セバスチャンの腕前

アルゼンチンは、牛肉とワインの国である。中でも、Asadoと呼ばれる焼肉は有名だ。しかし、アルゼンチンに2カ月以上いるというのに、1度も食べたことがなかった。たしかに、アルゼンチンの肉はおいしい。でも、私は肉にあまり興味がなく、せっかくたまに外…

[[chile]真冬のパイネを歩く (歩行距離約100キロ;7泊8日)

パタゴニアでやってみたいことがあった。キャンプ道具一式をせおって、何日か山の中をキャンプしながら歩く。夏には多くの人がやっていることが、南米で一番寒い、7月に全く経験のない私にできるのかわからなかった。とりあえず、パイネ国立公園の玄関口にな…

[chile]退化する日々

チリには楽しみにしていたことがあった。それは海産物。これまでの国は、大抵、鶏もしくは(アルゼンチンを例外として)ゴムのように硬い牛ばかりで、魚にたまにありつけても、魚フライばかりだった。それがチリにはなんでもある、と聞いていて、たのしみにし…

さようなら、ウスアイア

何もないと思っていたウスアイア。上野山荘の居心地が良すぎて、気がついたら月が変わって、7月になっていた。。。焦ってバスのチケットを取り、綾子さんに"明後日出発ことにしました。"と伝えた。"のんびりしていたから、越冬してくれるのかと思った。9月ま…

世紀の恋

上野綾子さんから聞いた本当の話...綾子さんは、大正11年に生まれた。生まれは大阪で、小学5年生のときに東京の文京区に越してきた。戦争中は3年間、第一銀行で働いていた。いつも、銀行から支給された鎧兜を持って歩いた。空襲がひどかった。銀行は、土曜…

世界最南端、上野山荘

世界最南端の町、ウスアイアにその宿はある。上野山荘をたった一人で切り盛りしているのは、上野綾子さん、85歳。体の不自由なところはあるが、ちょっと会っただけでは分からないくらい、かくしゃくとされている。壁に貼られている万が一綾子さんの身に何か…

[argentina] ブエノスアイレス

あこがれのブエノスアイレスにやってきた。ウォン・カーウェイ監督の映画「ブエノスアイレス」で何度も見た街。うれしいはずなのに、さみしさをもてあましている。 昨年、まだ半そでのまま、日本を飛び出た。その後すぐ、日本は冬に入ったというのに、地球の…

解釈を拒絶して動じないもの(イグアスの滝)

[ この旅で、南米に来ようと思ったきっかけは、雄三さんの写真で見た、ウユニ塩湖以外にもうひとつあった。ウォン・カーウェイ監督の「ブエノスアイレス」という美しくもせつない映画だ。レスリー・チャンとトニー・レオンが扮する、お互いに愛し合っている…

赤茶色の大地より日本を望む

日本語学校の教室 パラグアイには、いくつか日本人移住区がある。その中のひとつ、イグアス移住区に行ってみた。国境の街、Ciudad del Esteのバス停で、「日本人移民の村に行きたいのだけど。。。」と尋ねると、「あー、クアレンタ ウノね」とバスを指差した…

お金をもたない人たち

サンパウロから600KM離れたところに、弓場農場という共同体がある。1935年に弓場勇という一人の若い男が、"ブラジルの処女地に新しい文化の創造を"、と熱い想いで建設したのがこの農場だ。現在、1歳から103歳まで、約26家族、70人が共同生活を営んでいる。 …

日本人としての誇り

サンパウロには、世界に2つだけある日本人街がある。ブラジル滞在2ヶ月の間、既に、この国の安食堂で給仕される、単調な料理に飽きて、食べるのが嫌になった矢先に目にした、豊富な日本食材(ごぼう、梅干、豊水、なめたけ、塩辛、うなぎ。。。とにかくな…

匂いのない都市、ブラジリア

ドン・ボスコ聖堂 カテドラル・メトロポリターナ ブラジルはとてつもなく大きい。日本の23倍もある。今までずっと国内の移動は陸路で来ていたけれど、Foz Do Iguacuから Salvadorのバス53時間は疲れたし、ブラジルはバスも飛行機も値段がそう変わらない…

やられた。。。

旅に出てからもうすぐ半年。この半年間会った旅人にいろんな災難の話を聞いたけど、私は随分ラッキーで、サルバドール(ブラジル)でスリ(何も持っていなかったから未遂に終わった)、ジェリコアコアラ(ブラジル)であばら骨を折った以外、あまり治安の良…

別の惑星をはだしで歩く(レンソイス国立公園)

レンソイス国立公園 毎日イサベウの家に行くのに通った川。満潮のときには、肩までの深さになる。この川で、食器や鍋や体や切った魚を洗う。 イサベウの孫たち。どんな大人になるのだろう。 ブラジルのレンソイスはウユニよりもすごかったですよ!、とラパス…

北上中

3月末までがシーズンのパタゴニアを目指して南米大陸を南下するはずが、サルバドールのカーニバルに来たついでに、ブラジルは大きいし、移動費も高いし、いったん南下してから北上するのもめんどくさいし、ということで、夜行バスに乗ってはビーチとビールと…

祭りのあと

サルバドールのカーニバルが終わり、歩行者天国だった通りには車が走り、ずっと閉まっていた商店が開き、おしっこまみれの道も強力なホースで洗い流され、町は日常に帰って行った。それはなんだか新鮮であり、さみしいような感じだった。 <治安> とかく、…